(※【肉離れの二症例(1)】のつづきです)
受傷翌日に来院された、高校チアリーディング部のA子さん。
ややびっこを引く様子ながらも、
電車に乗って気丈に一人でやって来られました。
さっそく患部を診察したところ、
左腓腹筋の内側頭付近に著明な圧痛が認められ、
また皮下には、うっすらと赤あざ(皮下出血斑)がみられます。
「とにかく一週間後の大会までになんとか治したい」
という強い希望を持っておられたので、
なんとかしてその希望を叶えてあげたいと思いました。
しかし、現役アスリートの治療には独特の難しさが伴います。
それは、安静が必要なときに安静を維持できないことです。
彼らはみな、次の試合で最高のパフォーマンスを発揮するために
ハードな練習を積む毎日を送っていますから、
その試合が目前に迫っているとなれば、
練習を休んで安静にしているなど、とてもできない相談なわけです。
外傷の急性期には患部の絶対安静が鉄則!
されど、それができないのがアスリートの治療です。
「安静を保つことなく、一日も早く治す」
という「大いに矛盾したこと」をやらなければなりません。
A子さんの肉離れはけっして重症ではありませんでしたが、
まさにこの矛盾、この困難さと対峙しなければならないケースでした。
そこで、私は最初のインフォームドコンセントでこう申し上げました。
「痛みが無くなることと、けがが治るということは別。
肉離れはしっかり治しておかないと再発しやすいから、
きょうから7日間、毎日治療を受けること。
そして、大会後はしばらくの間ハードな練習はおこなわないこと。
この2つのことを約束してくれるなら、
一週間後の大会に出られるよう、できるだけのことはやってみよう」
まっすぐな眼をして聞いていたA子さんでしたが、
私の言ったことに納得し、約束をしてくれました。
急性期のマッサージは禁物ということもあり、
当院では、外傷の急性期治療は3D刺激療法をメインに処方します。
急性期の炎症を抑える効果にたいへん優れているからです。
初診当日、A子さんにもこの3D刺激療法をおこないました。
なお、筋損傷が著しく、歩行時痛も強い場合には、
肉離れにもテーピングなどによる固定が必要ですが、
今回のA子さんのケースは筋損傷・歩行時痛ともに比較的軽度であり、
また、3D刺激療法の術後効果も大きかったことなどから、
総合的に「固定の必要なし」と判断し、第1回目の治療を終えました。
(※画像の出典/https://welq.jp/18060)
(※【肉離れの二症例(3)】へつづきます)
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