かぜの話(3) ~漢方薬という養生法~
カテゴリー:セルフケアと養生法
(※【かぜの話(2)】のつづきです)
次に、かぜを引いたときに飲む薬――漢方薬の話をしましょう。
葛根湯(かっこんとう)という薬をご存知の方も多いと思います。
ほとんどの方が、あれはかぜ薬だと思っておられると思いますが、
じつは、葛根湯はかぜ薬ではありません。
というより、漢方薬というものはそもそも
「かぜの薬」「○○病の薬」というように、
特定の病気に対して処方されたものではないのです。
それでは、葛根湯はいったい何の薬なのかというと、
「閉じてしまった毛穴(汗の出口)を開き、凝った筋肉を弛(ゆる)める」
作用をもつ薬(専門的には「解表(げひょう)薬」といいます)です。
ですから、別段かぜを引いていなくとも、
肩こりがつらいときに飲むと効果があります。
とくにかぜの引き始め、項(うなじ)から肩にかけてこわばった感じがして、
悪寒とともに毛穴が閉じ、風にあたると嫌な感じがする――
そういうときに用いると著効を奏するため、いつしか
かぜを引いたときの定番薬として定着したのでしょう。
ただし、あくまでも上記のような初期症状に対して有効なのであり、
のどが真っ赤に腫れて高熱が出たり、痰を伴う咳が出たりといった、
いわゆるかぜをこじらせてしまってから服用しても、
これらの症状に対する改善効果は期待できません。
その辺りがいわゆる総合感冒薬とは異なるところ。
「引いたかな?」
――と思ったそのときに、直ちに服用しなければ意味が無いのです。
ちなみに、こじらせてしまって、くしゃみ、鼻水、咳や痰が止まらない
というときや、あるいはアレルギー性鼻炎などの場合、
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)という処方が用いられますが、
今は漢方薬がテーマのお話ではありませんので、
詳細については別の機会に譲りたいと思います。
(※【かぜの話(3)】へつづきます)
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