(※【肉離れの二症例(11)】のつづきです)
A子さんもBさんも、自覚的・他覚的所見の両方において
肉離れ(Grade II)であったことに疑う余地はありません。
では、なぜお二人の予後に「差」が出たのでしょうか。
A子さん=3回(3日)、Bさん=9回(15日)という
治療回数の違いは、何によるものだったのでしょうか。
今回、臨床的によく似た2例の肉離れの症例を採り上げたのも、
この表面上はよく似た両者の違いを考察することが、
けがや病気を考える上でひじょうに重要だと思ったからです。
それでは、さっそく考察を進めていくことにしましょう。
まずは、お二人に共通している点を挙げてみましょう。
①ふくらはぎのGrade IIの肉離れであること
②受傷後すぐにアイシングをおこなっていること
③3D刺激療法を治療のメインにしていること
――このうち、②はきわめて重要な点です。
A子さんもBさんも、ともに標準的・平均的な治療日数よりも
短期間で回復することができた最大の要因は、
お二人とも受傷後すぐにご自身でアイシングをされたことです。
外傷において、初期のアイシング(=RICE処置)こそ
予後を左右する最も重要なファクターです。
これはもう断言できます。
ここで「RICE」についてすこし触れておきましょう。
「RICE」とは、けがをした際の応急処置の原則をいい、
Rest、Icing、Compression、Elevation
の、それぞれの頭文字を取ったものです。
Restは「安静」。
けがをした(と感じた)ら、とりあえず競技や作業を中断し、
まずは局所(=受傷した部位)を安静に保つことが先決です。
「痛みが大したことないから」とか、
「骨に異状は無さそうだから」「出血していないから」
などと自分で勝手に判断し、そのまま競技を続行することは、
けがを重症化させ、治癒を長引かせ、
ひいては競技への復帰を著しく遅らせることになりかねません。
RICEの中でもRestがいちばん最初に来ているのは、
「何よりもまず安静が第一」という意味を含んでいるのです。
(※画像は東京都柔道整復師会のHPより引用させていただきました)
(※【肉離れの二症例(13)】へつづきます)
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