原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(4) ~痛みの原因はどこだ!?~
カテゴリー:症例
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(3)】のつづきです)
Dさんのように、体のどこかに不調があるにもかかわらず、
医療機関を受診しても解決しなかったという
経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
それでも処方された痛み止めが効いて、
様子をみているうちに症状が消失したということであれば、
それはそれで意義のあることだと思います。
なぜなら、患者さんにしてみれば、
つらい症状がとにかく消えてくれればよい
というのが本望だからです。
しかし、痛み止めが効かないケースもあれば、
いたずらに鎮痛剤を服用したくない場合もあるでしょう。
また、整形外科的疾患だと思っていたら、
内臓の病変から来ている症状だったというケースもある。
ですから、鎮痛剤が効かないであるとか、
あるいは、鍼灸その他の物理療法によっても
症状の改善がみられないという場合には、
内臓疾患もしくは何らかの内科的疾患を
疑ったほうがよいかもしれません。
――というわけで、とにもかくにも、
① 整形外科的には異常が無く、
② 痛み止めが効かない
という「原因不明の頸部痛」を訴える
Dさんの診察を始めることにしました。
● 第1診(5月下旬)
東洋医学的診断=「証」の把握に欠かせない、
100項目を超える問診に答えていただきました。
その結果は、多くの人がそうであるように、
際立った体質的偏向は認められませんでした。
しかし、その中にあって、
① 冷え性で、お腹や手足が冷えやすい
② 頭重やめまいを感じることが多い
③ 肩や背中が凝りやすい
――という3点に筆者は注目しました。
これらは「水滞証」でみられる典型的所見です。
( ⇒【梅雨と痰湿】参照)
そして実際、触診させていただいたDさんの体は、
お腹が冷たく(手足はさほど冷たくありませんでしたが)
肌理(きめ)こまやかな肌はしっとりと掌に吸い付くようで、
水滞体質の人の特徴をみごとに備えています。
「慢性の肩こりもある」というその両肩の奥のほうには、
これまたやはり水滞特有の、水風船のような、
あるいは軟らかい粘土のような
「ぶよっとした凝り」がへばり付いています。
これまでの経験上、Dさんは水滞証で間違いありません。
しかしまた、水滞証であるからといって、
それが即、耐えがたい頸部痛の理由にはなりません。
そこにはもっと何か、痛みを惹き起こしている
「直接的な原因」があるのではないか――
そう思いながら、Dさんが来院されてからの
一連の言動を、いま一度思い返してみました。
そこで、一つ思い当たったことがあります。
それは、Dさんの「目」でした。
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(5)】へつづきます)
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