虫刺されとお灸
カテゴリー:セルフケアと養生法
きょうの奈良市は午前中、雷を伴った激しい豪雨に見舞われました。
けさ私が起きたのはまだ雨の降る前だったこともあり、
かなり蒸し暑い朝でした。
そのせいでしょうか、左腕を2か所、ヤブ蚊に刺されてしまいました。
蚊に対しては、私は子どもの頃からアレルギー体質でしたので、
刺されると、それはもうすぐに五百円玉大にプクーッと腫れてしまいます。
けさも、みるみるうちに十円玉ほどの大きさの白い硬結ができてきました。
しかし「これはチャンス!」と思い、すぐに台座灸と呼ばれるタイプ
(※いわゆる「せんねん灸」タイプ)のお灸を持ってきてすえました。
何がチャンスだったかと言いますと、
「お灸男子&女子の会」のみなさんが Facebook 上で報告されていた
『蚊に刺された時のお灸』を追試してみる好機だと思ったのです。
以下「お灸男子&女子の会」さんの報告からの抜粋です。
「‥‥刺された所にお灸をしました。
その結果、お灸をしている最中に痒みは消失しました。
驚くべき即効性です。
その後も何名かが蚊にさされた際に同様にお灸をしてみましたが、
みんな痒みがすぐに消えています。
なんで痒みが消えたのか疑問に思いその理由を調べてみました。
蚊やダニなどの虫刺されの毒はタンパク質だそうです。
45度以上の熱刺激でタンパク質は
不可逆的に破壊・変性することが知られていますが、
お灸による熱刺激がタンパク質である蚊の毒を
不活性化したのではないかと考えられます。
虫刺されにはムヒが効きますが、お灸もとてもよく効きます。
ぜひ夏の虫刺され対策として、
ご家庭に台座灸を常備してみてはいかがでしょうか?」
自ら試験をし、考察を交えて結果を公開報告する――
「暮しの手帖」にも通じるこのすばらしい姿勢を
「お灸男子&女子の会」のみなさんには
これからもずっと貫いていってほしいなと思います。
――で、肝腎の「蚊に刺されたあとのお灸」ですが、
じつは、もぐさを皮膚の上に載せて直接燃やしきる
透熱灸というやり方で、私も過去に試みたことがあります。
これは、痒みを抑える効果は抜群でしたが、
「もぐさをひねって、その都度お線香の火で点火する」
という、けっして小さくはない手間が、一般の方には
まず受け入れられ難いであろうと思ったのと、
蚊に刺されたときのために、もぐさとお線香を
ハンドバッグや鞄に忍ばせておくという図は、
残念ながらあまり現実的とは思えませんでした。
けれども今回、少々強め(=熱め)の台座灸を
虫刺され痕に施してみたところ、3壮で痒みが半減し、
5壮をすえ終える頃には9割がた痒みが取れてしまいました。
これにより「お灸男子&女子の会」さんの報告にあるとおり、
透熱灸の場合とさほど変わらぬ即効性をもって
痒みを抑える効果のあることが検証できたと思っています。
――と、ここまで読んで、
「なんだ、痒みを抑えるだけだったら、べつにムヒでいいじゃないか」
と思われた方もいらっしゃると思います。
そのご指摘は正しいです。
「痒みを抑えるだけ」であれば、ムヒで十分なのです。
しかし、言い方を変えれば、市販の虫刺され薬のほとんどは
「痒みを抑えることしかできない」と言ってよいと思います。
虫刺されというものは、急性期の痒みの去った後に
赤い痕が残る、そしてそれがまた二次的な痒みを惹き起こす――
そのような歓迎せざる特性を持っています。
そして、こうした虫刺されによる二次症状にお困りの女性の方は
少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした二次症状に対し、市販の虫刺され薬は
ほとんど用を為さないと言わざるを得ません。
では、なぜお灸がいいのか、お灸以外にもっとなにか無いのか、
ということについて、次回のブログでお話ししたいと思います。
(※ 次回【虫刺されとマッサージ(1)】へつづきます)
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