(※【咽頭炎と湧泉(2)】のつづきです)
古来、そもそも「のど」と「腎」の関連性は
鍼灸医学において指摘されてきたところです。
その理由の一つが、
「腎経はのどを流れている」という事実です。
「腎経」とは、五蔵の「腎」に属し、
「腎」の機能状態を反映する経絡のこと。
ゆえに「腎」の状態がのどの症状に反映し、
また反対に、のどの状態が「腎」の機能に
影響するということが考えられるわけです。
したがって、筆者の罹患したアフタ性咽頭炎が
腎経の要穴(=重要なツボ)である
湧泉穴に反応を起こさしめたことは、
東洋医学的に言って当然であるといえます。
そのことを、机上の論議ではなく
実体験として認識できたことは、
施術者としてたいへん貴い経験でした。
貴重な体験はそれだけではありません。
湧泉穴に現れた反応が「冷感」であったことも
きわめて重要な意味を持っています。
なぜならそれは、
冷えが炎症(=咽頭炎)に大きく関与している
ことを示唆しているからです。
筆者はこれまで、このブログの中で
「炎症は冷えによって起こる」
「炎症あるところに冷えあり」
ということをたびたび述べてきました。
( ⇒【水滞証と腎(10)】など参照)
今回の件を通して、このことがまさに
体験的事実として認識されたのです。
それともう一つ、
臨床上有意義だったことがあります。
それは「湧泉」のツボに反応が現れたことです。
くるみ治療院では、かぜなどによる
のどの痛みには「復溜」「照海」といった
腎経のツボを常用し、湧泉穴はとくに
冷えの強い方にのみ用いていました。
( ⇒【「霜降」2017 】参照)
しかし、湧泉穴もまた咽頭炎・扁桃炎の
常用穴として用いるべきだということを
学んだのです。
「百聞は一見に如(し)かず」
と言いますが、今回の体験は
「百見は一験に如かず」
と言ってよいほど、施術者として
じつに有難い経験でした。(了)
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