公開日：2017年6月20日
最終更新日：2018年10月13日
「陽きわまりて陰に転ず」
あす6月21日の「夏至(げし)」をもって、
自然界は「陽気のピーク」を迎えます。
「昼の時間が最も長い」というのは、そういう意味です。
しかし、登山におけるピーク（頂上）が
下山路の始まりであるように、
陽気のピークはまた同時に
「陰気の芽ばえ」を意味しています。
とはいえ、その微微たる変化（＝陰気の芽ばえ）を
感じ取れるほどの精巧なセンサーを
私たち人間は持ち合わせていません。
しかし、ヒトの体は「小さな大自然」ですから、
マクロな顕在意識ではとうてい
感知できぬほどの微小な「変化」が、
細胞単位のミクロの世界では
起こっているのかもしれません。
自然界に陰気の萌芽あるときは、人体もまたこれに同じ――
少なくとも、東洋医学ではそのように考えます。
そして、目にも見えず、感覚にも
意識にも上らぬような「変化」が、
しかし確実に私たちの体内で
起こっていることを想定し、
診察・施術をおこなっていく――
それが東洋医学なのです。（了）
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