秋冬季の養生法(2) ~キーワードは発酵・加熱・未精製~
カテゴリー:セルフケアと養生法
(※【秋冬季の養生法(1)】のつづきです)
淡白な食材と濃い色をしたものとでは
いったい何が違っているのでしょうか。
また、色の濃い食品が「腎」を養う
というのはどうしてなのでしょうか。
紅茶・味噌・チーズに共通しているのは、
いずれも「発酵食品」であるということ。
ほうじ茶は、緑茶の葉を
「焙煎=加熱処理」したものです。
また、玄米とは、収穫したコメから
籾殻(もみがら)を取り除いたもので、
精白していない状態のコメのことです。
――以上のことから、食材は基本的に
「発酵・加熱すること」
「精製しないこと」
によって色が濃くなると言えます。
このように、加熱処理したり、
発酵や乾燥させるなどした食品は、
その性質が「陽性」に変化します。
具体的には、生のショウガに含まれる
ギンゲロールという辛味成分には、
頭痛や吐気を緩和する作用の
あることが知られていますが、
調理したり乾燥させたりすることにより
脱水反応が起こり、このギンゲロールが
ショウガオールという別の有機化合物に
変化することが知られています。
このショウガオールという成分には、
ギンゲロールには無かった
「血行を促進し、冷えた体を温める」作用の
あることがわかっています。(=陽性の獲得)
ちなみに漢方では、ギンゲロールを含む
生のショウガを生姜(しょうきょう)、
ショウガオールを含む乾燥させたショウガを
乾姜(かんきょう)と呼んで区別し、
それぞれの薬効に適った漢方薬の
原料として別々に用いています。
ところで、
「冷え性の人(「腎」の虚している人)は
ジンジャーティー(生姜紅茶)を飲むとよい」
などと、TVの健康バラエティー番組や
雑誌の特集などで盛んに言われて久しいですが、
多くの人が水分たっぷりの生のショウガ(生姜)
を摺り下ろしたものを入れて飲んでいます。
しかし、冷え性の人にとって、
このやり方は大きな間違いです。
冷え性を改善したいのならば、
天日に干すなどして
水分を飛ばし、乾燥させたショウガ(乾姜)を
細かく刻み、あるいは摺り下ろしたものを
入れて飲むほうがよいのです。
(※【秋冬季の養生法(3)】へつづきます)
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