脾の生理(3) ~脾胃はからだの中心~
カテゴリー:「五蔵六府」の話
(※【脾の生理(2)】のつづきです)
「④脾は思慮をつかさどる」とは、
「頭で考えてばかりいて運動不足に陥ったり、また、
悩んだり思い患ってばかりいると、脾の気を傷(やぶ)る」
というふうに解釈されます。
「思い悩んでばかりいると、気が塞いでいけない」
という言い方をしますが、
思慮が過ぎて「脾」を傷れば、気の循(めぐ)りが滞り、
文字どおり「気」を塞いでしまうことになります。
失恋でも恋わずらいでも、思い悩むほどに食欲は失せ、
げっそりと元気を失うのも、漢方の理に適っているというわけです。
なぜなら「①脾は運化・生気をつかさどる」からです。
「⑤脾は湿を悪(にく)む」とは、文字どおり
「脾」と「湿」との相性がわるいということ。
高温多湿の夏場には食欲が落ち、食べると胸やけ・胃もたれがする。
また反対に、胃の調子がわるいとき、お腹のなかでチャポチャポと
水の入った盥(たらい)を揺すったときのような音がすることがあります。
漢方ではこれを「胃内停水(いないていすい)」といい、
「脾胃」の機能障害(=脾虚証)の徴候と捉えます。
胃壁が弛緩し、胃の蠕動運動が低下している状態です。
医学の東西を問わず、
胃袋が働かなければ活動エネルギーを生み出すことはできません。
このような理由から、
鍼灸治療の究極の目的はつまるところ「脾胃を整える」ことにある
――と言えます。
少なくとも私はそのように考え、施術を処方し、
日々の臨床に当たっています。
最も重要なものは、最も中心に存在するのです。(了)
(※画像の出典/http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20161001/Biranger_240414.html)
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