続・虫刺されとお灸(2) ~すべての虫刺され難民たちへ~
カテゴリー:セルフケアと養生法
(※【続・虫刺されとお灸(1)】のつづきです)
【写真③】は、刺されてからおよそ5時間後のものです。
前回(9/8)の実験の際に撮ったのが5時間後でしたので、
いちおう同じ時間経過の写真を撮っておいたものです。
薄ぼんやりとした発赤の中央部の皮膚がわずかに盛り上がり、
「白い硬結」のなごりを感じさせます。
この点が、前回の強擦法を施した場合との相違点かもしれません。
この写真を撮った後、2~3時間の間、
一時消退していた痒みのぶり返しがありました。
一方、左膝関節の上方を刺されたほうはどうなったか。
こちらは、お灸や塗布薬はもとより、掻くこともいっさいせず、
ただひたすら痒みに耐えて過ごしました。
そうして、刺されてから24時間後の写真が【写真④】です。
同じく24時間後の肘の写真【写真⑤】と比べてみてください。
直径1cmほどの「白い硬結」のあった中心部以外は
ほぼ発赤が消失している肘=⑤に対し、
膝のほうは、刺された爪痕である「赤い丘疹」が
しっかりとその痕跡を留めています。
加えて、24時間以上が経過してもなお膝のほうには
痒みのぶり返しがあったことを書き添えておきます。
――以下、まとめと考察です。
前回(9/8)と今回(9/15)の2回にわたり、
虫刺され後の処置の違いによる経過の違いを観察してきました。
以下、その結果をまとめてみました。
① 刺された後に何の処置も施さないと「赤い丘疹」ができ、
痒みのぶり返しとともに数日間続いた。
② 刺された後に台座灸をすえた場合、
比較的速やかに痒みを抑える作用があると認められたが、
今回(9/15)の実験では、5~6時間後に痒みのぶり返しが一度あった。
また「赤い丘疹」状にはなりにくいとも思われた。
③ 台座灸の後に強擦法マッサージを加えた場合、
「赤い丘疹」状にはならず、痒みのぶり返しも起こらなかった。
また、発赤の消退もこれがもっとも速かったと思われた。
これは、灸熱によって変性した蚊の毒素=タンパク質の
分解・吸収を強擦法が促進することが考えられた。
――以上のことから、結論として次のことが言えると思います。
蚊に刺されたら、できるだけ早急に灸熱刺戟を与え、
そののち強擦法マッサージを施すことにより、
「赤い丘疹」の残存や痒みのぶり返しを防ぐことができる。
そもそも同一種の蚊に刺されたものかどうかわからず、
刺された部位も前腕、肘、膝とバラバラであったりと、
今回の一連の実験が科学的に厳密性を欠いた
ものだということはもとより承知しています。
しかし、科学論文を書くためにやっているのではありません。
私自身、蚊に刺されたときのアレルギー反応が強く、
刺されると、ほんとうに憂鬱になってしまうわけです。
そんな悩みの無い方にとっては愚にもつかぬことかもしれませんが、
できれば刺されたくない、もし刺されてしまったら、
どうにかしてアレルギー反応を最小限に抑えたい――
そのように考えることは私にとって必然でした。
私は男ですから、肌に虫刺され痕が残ることを別段気にはしませんが、
多くの女性の方はきっとそうではないでしょう。
私の場合、虫刺され用の塗布薬を塗っても、
「赤い丘疹」化や痒みのぶり返しは必発でした。
同じような体質でお困りの女性もきっと多くいらっしゃるはずです。
そのような方々のために一つの可能性を示すことができたとしたら、
よろこびこれに過ぐるものはありません。
最後に、今回の一連の実験に大きな示唆を与えてくださった
「お灸男子&女子の会」のみなさん、代表の加藤真二さんに
こころより感謝を申し上げたいと思います。(了)
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