「秋分」2016 ~陰陽の攻守交代~
カテゴリー:二十四節気
9月22日は「秋分」です。
この日は「お彼岸(の中日)」ということで特別な意味を持ち、
春の「春分」とともに「国民の祝日」に制定されています。
天文学的には、やはり春分の日と同じく
昼と夜の長さが同じになる日です。
そこで、ことし3月のブログでは以下のように記しました。
「この日(春分の日)を境に「陰の気」と「陽の気」が逆転し、
今後半年間は、自然界も人体も陽の気が勝った状態になります。
昼の時間が長くなった分、朝は早起きをして、
日中は活動的に過ごす時間を増やすように心がけましょう」
こんどはこれが逆になるわけです。
つまり、こうなります。
「この日(秋分の日)を境に「陽の気」と「陰の気」が逆転し、
今後半年間は、自然界も人体も陰の気が勝った状態になります。
夜の時間が長くなった分、早寝をして十分な睡眠をとり、
体内の陰の気を養うように心がけましょう」
臨床の現場でも、しばしば患者さんにご指導申し上げるのですが、
「陰の気を養う」とはどういうことかというと、ひとことで言えば
「夜には夜に相応しい過ごし方をしましょう」
ということです。
こういう言い方が、西洋医学のお医者様から
「鍼灸師の言うことはアナログだから――」
と言われてしまう原因なのかもしれませんが、
しかし、言い方の是非はともかくとして、
言っている内容は十分に科学的・現代生理学的だと私は思います。
「夜には夜にふさわしい過ごし方」とはすなわち、
「昼間、狩猟や戦闘(=現代では仕事)で疲弊した精神と肉体を
翌朝までに回復させるために、夜の間はよく眠り、体を休める」
ことにほかなりません。
これを医学的・現代生理学的に言えば、
「昼間、交感神経が昂(たか)ぶった状態が続いたので、
夜はリラックスして休息をとることで副交感神経を優位にし、
一日のなかでの自律神経のバランスをとる」
といった言い方になるでしょうか。
東洋医学は、科学というものがまだ無かった時代に生まれ、
そのなかで育まれ、洗練されてきました。
したがって、交感神経・副交感神経などという概念も無ければ、
使われる言葉がお世辞にも科学的とは言えないのも確かです。
しかし、古代の人々は、昼間いそがしく働いて、
夜しっかり休むことをしなければ、それが
ストレスとなって蓄積し、やがて心身を病む
ことを知っていたのです。
「夜には夜にふさわしい過ごし方」をしなければ、
自律神経バランスを崩して病気になる
ということを――。
さらには、秋分の日を境にこれから自然界は寒冷の季節に入ります。
すると、体内をめぐる血液の循環も春夏に比べて鈍くなりますから、
疲労の回復にかかる時間も自ずと温暖な時季よりも遅くなります。
「夜の時間が長くなった分、体内の陰気を養うように心がけましょう」
――このことは、自然界の変化が人間の体に及ぼす影響までをも
見通している点において、現代医学・生理学よりも
ある意味、科学的だと思うのですが、
さて、みなさんはどう思われるでしょうか?(了)
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