(※【水滞証と腎(9)】のつづきです)
しばらく遠回りをして、4回にわたり膝関節痛のお話をしてきました。
膝関節痛は水滞証の代名詞ともいえる好発疾患です。
これから「水滞証と腎」のお話を再開するにあたり、
膝関節痛についてどうしてもお話ししておきたかったからです。
まずは【ひざ関節痛の話】(1)~(4)をご一読されてから、
再びこのページへ戻ってきていただければ幸いです。
さて、それではCさんの症例に話を戻しましょう。
初診の日、施術を終えた後に、
「最初の3-4回は大変かもしれませんが、できるだけ施術間隔を空けずに、
週1くらいで治療を受けにいらしてください」
と、申し上げたのですが、
次にCさんが来院されたのは、それからおよそ2か月後のことでした。
さっそく、初回施術後から本日までの経過と感想をお訊ねしたところ、
「膝の裏の水溜まり(腫脹)がいっぺんに引いて、
それ以後、水が溜まらなくなったので、びっくりしている」
とのことでした。
3D刺激療法の急性炎症抑制効果の高さに、
私も今さらながら目を瞠(みは)りました。
それとともに「水滞証にはお灸がよく効く」
ということをあらためて実感しました。
この日も初診時同様の処方で施術をし、
術後に「体が軽くなった」と言っていただきました。
第3診は、それから3週間後でした。
やはり一週間後くらいには来ていただきたかったのですが、
Cさんのほうも他府県から来られていることを考えると、
あまり強くは言えないところ――難しいところです。
膝関節痛のほうはもうだいぶ改善されたようで、
この日の主訴は「朝の手指のこわばり」を一番に挙げられました。
いわゆる「腱鞘炎」です。
現代医学的には、変形性膝関節症とは病名も病態も異なりますが、
「関節に水が溜まって動きがわるくなり、動かすと痛い」
という症状は共通しています。
まぎれもない「痰濁(たんだく)=水滞」による症状です。
その意味で、漢方医学では、
両者は「同じ原因に基づく同じ病」であるとみなします。
この日はいつもの根本治療に加え、手の腱鞘炎に対して、
お灸とマッサージによる対症療法を多めに施しました。
そして、術後指導として、
「膝に水が溜まるのも手指がこわばるのも、関節の滑液包に炎症があるためです。
炎症は水毒による冷えのサインなので、好物の果物やお鮨、緑茶なども一度に
たくさん摂りすぎず、 召し上がる量や回数を減らす努力をしてください」
――と申し上げると、Cさんも、
「まったく当てはまっています」 と、神妙な面持ちで聴いておられました。
(※【水滞証と腎(11)】へつづきます)
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