「白露」2016 ~白は秋色~
カテゴリー:二十四節気
きょう9月7日は「白露(はくろ)」。
文字どおり「朝晩に路傍や庭の草花に露が降りる頃」という意味です。
しかし「白い露(つゆ)」という表現に、
すこし違和感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに露の雫(しずく)というものは、朝陽や月光を反射して、
遠目には白っぽく見えることもあるでしょう。
けれども「白い」と言いきれるほどの白さを感じるわけではない――
それがゆえの違和感なのだと思います。
じつは、白露の「白」は、White の白というよりは、
「秋」を象徴している色なのです。
漢方医学が「陰陽五行説」の影響を強く受けていることは
これまでのブログでもお話ししたとおりです。
たとえば、肝心脾肺腎の「五蔵」と、季節や色との関係を表したとき、
「肺=秋」「肺=白」「秋=白」
という関係にあると説明されます。
これを具体的にどう読み解くかというと、
万緑だった夏が終わり、樹々の葉の緑色がしだいに薄らいでいき、
収穫を迎えようとする稲穂からは緑色が抜けて黄金色になる――
そんな自然界の色調の変化から「秋=白」としたのでしょう。
また、古くから肺の病として代表的なのが肺結核ですが、
現代のように抗生物質のような特効薬のまだ無かった時代、
肺結核患者は隔離され、ひねもす安静に寝ていなければなりませんでした。
そのため、患者は陽に焼けることもなく、肉付きも痩せて、
どこか蒼白い風貌の印象を与えたものでした。
そんなところから
「肺病=白」「秋は肺を傷りやすい」
とされたのでしょう。
実際に肺結核が秋に流行しやすいかどうかは何とも言えませんが、
秋は空気が乾燥してきて、かぜやインフルエンザをはじめとする
気道感染症が流行しやすくなるのは事実です。
こうした気道感染症は、重篤化すればやがて肺を侵しますから、
そういう意味から言えば、
「肺(肺病)=秋」というのも一理あるかなと思うのです。
つまりは要するに「白露」とは「秋の露」ということ。
このような、五蔵や季節と五行説との関係については、
『五蔵を整える』のブログの中でまたお話ししていきたいと思います。(了)
**************************************************
奈良の鍼灸マッサージなら、指圧鍼灸マッサージ くるみ治療院
にお越しください。奈良市のしもみかど商店街の中にあります。
〒630-8365
奈良県奈良市下御門町17-1
TEL:0742-93-9600
受付時間:10:30~19:00
定休日:月・木(祝日営業)