「小満」2016 ~節度ある飲食を~
カテゴリー:二十四節気
小満(しょうまん)とは、
「陽気盛んにして、万物を生長させる気が長じて天地に満ちる」
という意味で、5月20日からのおよそ半月間がこれに当たります。
麦の穂が育ち、若葉に覆われた樹々は実をつけ始め、
いよいよ田植えの始まる頃です。
各地で真夏日になることもあり、汗ばむ陽気になってくるこの時季、
西日本からしだいに「走り梅雨」がみられるシーズンでもあります。
だんだんと高温多湿になっていくこの時季、食欲が落ちたり、
また、体が重だるく感じるといった方も多いのではないでしょうか。
漢方ではこれを「痰湿困脾」あるいは「湿困脾胃」などと言い、
「痰湿(=体内の余剰水分の停滞)は脾胃の働きを阻害する」
と考えられています。
「脾胃の働き」とは消化吸収のことであり、そこから活動エネルギー
(※これを漢方では「気」と呼び、西洋医学ではATPといいます)
を産生する働きのこと。
外界の高温多湿の影響で体内の水分代謝機能が低下し、
その結果「気」がつくられない、めぐらない、という状況になる。
したがって、体が重だるく、体力も消耗しやすいということになります。
そんなときは、どうすればよいか――。
それには飲食を節制することです。
胃や十二指腸に余分な水がタプタプ溢れているのですから、
消化吸収能力は間違いなく落ちているわけです。
そのぶん割り引いて、「腹7~8分目」に止めておくことが大切。
暑いからといって、冷たいビールや清涼飲料水の飲み過ぎも禁物です。
この時季の暴飲暴食は胃腸の働きを弱め、
あなたから体力と免疫力を確実に奪います。
医食同源――。
日頃より飲み過ぎ・食べ過ぎに心当たりのある人は、
この時季、節度ある飲食を心がけてみてはいかがでしょうか。
正しい養生は、けっして裏切らないものです。(了)
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