「土用」って何だ?(1)
カテゴリー:二十四節気
「本日、土用の丑(うし)の日! うなぎ特売◎」
毎年7月の下旬になると、スーパーの店内や折り込みチラシなどで
このようなキャッチコピーをよく見かけます。
そう、あす7月19日は「土用」の入りです。
そもそも「土用」とはいったい何でしょうか。
ネットで調べてみると、
「土旺用事(どおうようじ)」を縮めて言ったものであるとか、
「土旺(どおう)」が訛って「どよう」になったのだとか、
そういうことばかり書いてあります。
そんなことを言い出すと、「じゃあ土旺用事とは何だ?」
ということになって収拾がつかなくなりますし、
そもそも「土旺用事」の意味を知ったところで
何かの役に立つなどということもほぼ無いでしょうから、
そこらへんは割愛することにして、サクサクいきましょう!
簡単に言うと、土用とは、
「いずれでもない季節」→「季節の変わり目」のことです。
ですから、土用は年に4回あります。
1.「立春」の前およそ18日間
2.「立夏」の前およそ18日間
3.「立秋」の前およそ18日間
4.「立冬」の前およそ18日間
(※年によって19日間になることもあります)
――以上1~4の期間をそれぞれ「土用」と呼びます。
では、なぜ春夏秋冬以外にわざわざ
「土用」なるものを作ったのでしょうか。
ここのところは、じつは東洋医学と深い関係があるので、
少々ページを割いてお話ししてみたいと思います。
みなさんは「陰陽五行説」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
正確に言うと「陰陽(いんよう)論」と「五行(ごぎょう)学説」です。
これらは古代中国において説かれた自然哲学思想で、
簡単に言ってしまうと、万物を相対的に
陰か陽かに分類して考えるのが陰陽論。
また、この世界を構成しているあらゆる事象を
木・火・土・金・水の5つの元素の属性とその相関によって
説明しようとするのが五行学説です。
五行説は「この世界のすべて」を5つに分類するのですから、
当然のことながら「方角」や「季節」にも
これらの考え方を当てはめました。
方角では、東=木、南=火、西=金、北=水。
季節では、春=木、夏=火、秋=金、冬=水。
あれっ?
でも、東西南北も春夏秋冬も4つだから‥‥1つ余りますよね。
そこで、東でも西でもなく、南でも北でもない場所――
つまり、中央部、中心地を「土」としよう。
同様に、春でも夏でも秋でも冬でもない時期、
「季節の変わり目」を「土」としよう――
とまあ、いうことになったわけです。
ちなみに余談ですが、アジア大陸の中央部にあって、
世界の中心こそが中国であると考え、
それ以外の地域=東西南北にある他の国々は、
それぞれ東夷(とうい)・西戎(せいじゅう)・南蛮・北狄(ほくてき)
と呼んで侮蔑し、従属させてきたのが中国という国の歴史です。
「中国こそ世界の、宇宙の中心であり、中心でなければならない」
という、この究極のエゴイズムのことを「中華思想」といいます。
(※【「土用」って何だ?(2)】へつづきます)
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