かぜの話(5) ~東西の力でかぜを撃退!~
カテゴリー:セルフケアと養生法
(※【かぜの話】の最終回です)
一般的に「ツボ療法」というものは、一つの症状に対し
1個ないし2個のツボが挙げられることが多いものですが、
そのようなわずか1-2個のツボに1回や2回お灸をすえるだけで、
症状がウソのように消えるなどとはゆめゆめ思わないでください。
――そのような意味も籠めて、前回のブログでは、
以下のようなツボをご紹介しました。
① 鼻炎(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)
中脘 曲池 手の三里 足の三里
③ 咽頭炎・扁桃炎(のどの腫れ・痛み)
中脘 三陰交 復溜 太谿
本来ならば、もっと多く――この3倍くらいの数を挙げたい
ところですが、背中や腰など自分では施灸できぬ部位を除き、
かつ必要最小限に止めるということで、こうなったわけです。
しかし、上記のツボは少なくとも
「こういう症状に対してはこのツボを」
という対症療法的な意義のみで採り上げたものではありません。
かぜ症候群=上気道炎というものを「風寒の邪気」の侵襲として
東洋医学的に捉え、できうる限り根本に働きかけるべく選定したものを、
これ以上はどうあっても減らすことができない――
そういうぎりぎりのツボだけに絞った結果です。
ですから、これ以上減らしてしまうと、もはや
治療・養生の体をなさないと言えるものばかりです。
かぜの症状は、鼻やのど、気管などの炎症によるものです。
頸椎ヘルニアや肉離れのブログでも詳述したとおり、
炎症というものは、ひとたび惹き起こされると、
一定の経過を経ずして治るものではないのです。
かぜもまた例外ではありません。
炎症とは火事のようなもの。
放置していると、隣接・周辺組織に延焼してしまいます。
そうした延焼を最小限に食い止めるためのツボ療法だと心得てください。
ルルやベンザといった、いわゆる総合感冒薬の服用とツボ療法の併用も、
私は「あり」だと思っています。
なぜならば、両者はその目的が異なるからです。
総合感冒薬が炎症の強さのピークを低く抑える働きをするのに対し、
ツボ療法は、炎症期それ自体を短くするように働くからです。
少なくとも、冒頭で各症状ごとに挙げた4つのツボは、
適切に施灸するならば、ちゃんとそう働くように処方してあります。
鼻炎や咳がひどかったり、熱が高かったりしたら、
お仕事のスケジュールが立て込んでいる方や、
試験を控えている学生さんは困ってしまいますよね。
そういうときには、総合感冒薬あるいは漢方薬の力を借り、
まずは症状をガッと抑え込み、同時にツボ療法を併用して、
かぜが「早く抜ける」ようにもっていく――。
そのような対処のしかたも試してみてはいかがでしょうか。
不用意にかぜをこじらせて慢性化させ、それこそ
「万病のもと」となってしまわぬよう注意したいものです。(了)
(※ツボ名のリンク先は「ツボ辞典」さんのHPを出典とさせていただきました)
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