脾の生理(2) ~脾は生血・肌肉をつかさどる~
カテゴリー:「五蔵六府」の話
(※【脾の生理(1)】のつづきです)
① 脾は、運化・生気をつかさどる
② 脾は、生血・統血をつかさどる
③ 脾は、肌肉・四肢・口唇をつかさどる
④ 脾は、思慮をつかさどる
⑤ 脾は、湿を悪(にく)む
「脾」のおもな生理作用には、以上のようなものがあること、そして、
「①脾は運化・生気をつかさどる」について前回、お話ししたのでしたね。
それでは、今回は②以下についてお話を進めていくことにしましょう。
②の「生血(しょうけつ)」とは「血を生み出す」こと。
飲食物から気を生み出したように「脾」はまた血をも生み出します。
気は生体の活動エネルギーであり、血は細胞の新陳代謝・免疫の要です。
また「統血(とうけつ)」とは「血を統轄する」ことで、
血を、血の本来在るべき所在(=脈管内)に留まらせる働きをいいます。
したがって「脾」の生理機能が低下(=脾虚)すると、
血液が血管から漏れ出す――つまり、
内出血や鼻出血などが起こりやすくなります。
③の「肌肉(きにく)」とは、皮膚および浅層筋を含めた皮下組織のこと。
「脾の気」が充実している人は肉付きもよく、皮膚には光沢があります。
反対に「脾の気」が虚していると、
皮膚はくすんで光沢を失い、肉付きも痩せてきます。
とくに、臨床上しばしば観察されるところでは、
上腕三頭筋(肘がしらの直上)や大腿四頭筋(膝がしらの直上)が
萎えて力が入らず、手足が重だるく感じられるようになります。
このような「脾」の健康状態は口唇(=くちびる)に反映され、
「脾の気」が充実していれば、口唇はふくよかで潤沢な淡紅色を呈します。
反対に「脾の気」が虚していれば、口唇も荒れて潤沢さを失い、
その色も淡白ないしは黒ずんだ色を呈するようになります。
(※【脾の生理(3)】へつづきます)
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