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公開日:2016年6月22日
最終更新日:2016年10月11日

(※【肉離れの二症例(12)】のつづきです)

そして、安静の次に重要なのがIcingアイシング冷却)です。
炎症については過去のブログで詳述したので繰り返しませんが、
けがをしたときに最も大事なことは、
炎症をそれ以上大きくさせない、長引かせない」ことです。
とくに受傷から数日間は、それがすべてであると言ってよいでしょう。
この初期処置としてのアイシングが的確にできるかどうかが
まさに予後を大きく左右することになります。
A子さん、Bさんともに良好な予後が得られたのも、ひとえに
「受傷直後の適切なアイシング」があったればこそと言えるでしょう。
アイシングはできるだけ氷嚢や冷却剤を使っておこなうのが基本。
冷却スプレーの類は、効果という点ではあまり意味がありません。

肉離れ 9
次のCompressionは「圧迫」です。
けがをすると、局所には充血という炎症反応が起こります。
けがをしたところが赤く腫れるのはそのためです。
炎症反応は傷を修復するために必要不可欠なものなのですが、
過度に貯留した組織液が神経や筋肉、血管を圧迫すると、
強い痛みを惹き起こすだけでなく、最悪の場合、
四肢の組織壊死に至ることもあります(コンパートメント症候群)。
そうならないためには、患部全体をテーピングや包帯などで
適度に圧迫することで、腫脹を最小限に止めることが必要なのです。

RICE
最後のElevationは「挙上」です。
患部を心臓よりも高い位置に置くことを意味します。
これも Compression(圧迫)と目的は同じです。
つまり「Rice処置」とは、すべて
炎症をそれ以上大きくしない、長引かせない
ために取るべき、絶対に必要な初期処置なのです。
このことは数十年前から言われていることで、
スポーツの世界ではもはや常識以前の当たり前のことですが、
知識としては知っていても、いざ自分や仲間がけがをしたときに
どれだけ実践できているか、いま一度考えてみてください。
とくに小中学生のジュニアのうちは
どうしても自己管理能力が低いですから、
まずは指導者や保護者がRICEの重要性・必要性を認識し、
それを子どもたちに強く植え付けていく必要があります。
子どもたちの健康と選手生命を左右しかねないことですから、
指導者や保護者の責任は重大です。

(※画像は東京都柔道整復師会のHPより引用させていただきました)
(※【肉離れの二症例(14)】へつづきます)

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川村 晃一 (HarryPonta)
奈良市にある【指圧鍼灸マッサージくるみ治療院】院長。東京都出身。在学中より西條一止・白石洋介両先生に師事。はり・きゅう師、あんまマッサージ指圧師、柔道整復師(以上厚生労働大臣免許)ほか、推拿療術師、せんねん灸セルフケアサポーター、漢方コーディネーター。
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川村 晃一 (HarryPonta)

奈良市にある【指圧鍼灸マッサージくるみ治療院】院長。東京都出身。在学中より西條一止・白石洋介両先生に師事。はり・きゅう師、あんまマッサージ指圧師、柔道整復師(以上厚生労働大臣免許)ほか、推拿療術師、せんねん灸セルフケアサポーター、漢方コーディネーター。

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