(※【肉離れの二症例(12)】のつづきです)
そして、安静の次に重要なのがIcing(アイシング=冷却)です。
炎症については過去のブログで詳述したので繰り返しませんが、
けがをしたときに最も大事なことは、
「炎症をそれ以上大きくさせない、長引かせない」ことです。
とくに受傷から数日間は、それがすべてであると言ってよいでしょう。
この初期処置としてのアイシングが的確にできるかどうかが
まさに予後を大きく左右することになります。
A子さん、Bさんともに良好な予後が得られたのも、ひとえに
「受傷直後の適切なアイシング」があったればこそと言えるでしょう。
アイシングはできるだけ氷嚢や冷却剤を使っておこなうのが基本。
冷却スプレーの類は、効果という点ではあまり意味がありません。
次のCompressionは「圧迫」です。
けがをすると、局所には充血という炎症反応が起こります。
けがをしたところが赤く腫れるのはそのためです。
炎症反応は傷を修復するために必要不可欠なものなのですが、
過度に貯留した組織液が神経や筋肉、血管を圧迫すると、
強い痛みを惹き起こすだけでなく、最悪の場合、
四肢の組織壊死に至ることもあります(コンパートメント症候群)。
そうならないためには、患部全体をテーピングや包帯などで
適度に圧迫することで、腫脹を最小限に止めることが必要なのです。
最後のElevationは「挙上」です。
患部を心臓よりも高い位置に置くことを意味します。
これも Compression(圧迫)と目的は同じです。
つまり「Rice処置」とは、すべて
「炎症をそれ以上大きくしない、長引かせない」
ために取るべき、絶対に必要な初期処置なのです。
このことは数十年前から言われていることで、
スポーツの世界ではもはや常識以前の当たり前のことですが、
知識としては知っていても、いざ自分や仲間がけがをしたときに
どれだけ実践できているか、いま一度考えてみてください。
とくに小中学生のジュニアのうちは
どうしても自己管理能力が低いですから、
まずは指導者や保護者がRICEの重要性・必要性を認識し、
それを子どもたちに強く植え付けていく必要があります。
子どもたちの健康と選手生命を左右しかねないことですから、
指導者や保護者の責任は重大です。
(※画像は東京都柔道整復師会のHPより引用させていただきました)
(※【肉離れの二症例(14)】へつづきます)
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