(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(6)】のつづきです)
患者さんの「証」が正確に診断され、
それに相応しい処方・施術がなされたとき、
はじめて劇的な効果を生む――
前回のブログでそのように書きました。
もちろん、施術者としては毎回、つねに
「証」を正しく判断し、それに相応しい
治療を施すべく努力しているわけですが、
そうそう期待どおりの結果ばかり
生じてくれるわけではありません。
当たり前のことですが、病人の体を治すことは
壊れたプラモデルを直すのとは訳が違います。
こちらの「証」の見立てが間違っていることもあれば、
一所懸命におこなった施術が的外れな場合もあります。
しかし、時として両者がガチッと呼応するときがある。
そんなときは、患者さんのみならず、
施術者自身も目を瞠(みは)るような
改善効果をみることがあるものです。
それと、もう一つ言えることは、一般的に
慢性の症状は短期間では治り難いものですが、
今回のDさんの頸部痛は比較的
亜急性のものであったために、
一回の施術でこのような良好な
結果が得られたのだと思います。
しかし、Dさんの治療がこれで
終了したわけではありません。
なぜなら、頸部痛を惹き起こしていた原因が
「怒り ⇒ ストレス ⇒ 肝の失調」
にあるのだとすれば、そのストレスや
「怒り」の情動が治まらないかぎり、
根本的に治ったとは言えないからです。
● 第2診(6月上旬)
施術に先立ち、舌診と脉(みゃく)診をおこないます。
舌にはとくに異常所見はみられませんでした。
脉のほうは「肝」と「脾」の脉がやや緊張し、
すこし強く搏動(はくどう)しているようです。
いずれも初診時の所見と変わりありませんでした。
いま「肝と脾の脈が緊張し、強く搏動している」
と書きましたが、この状態は何がしかの「邪気」
(※オカルト的な意味ではありません)によって
五蔵が傷害されていることを意味します。
Dさんの場合、前主治医の言動に対する
「怒り」の情動が強いストレスとなって、
「肝」の働きを失調させていたとみることができます。
(※註:脉診ですべてが判るということではありません。
脉診はあくまで他の重要所見を裏付ける
傍証の一つであると筆者は考えています)
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(8)】へつづきます)
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