(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(4)】のつづきです)
Dさんが来院されて、お話を伺っている間、
ずっと気になっていたことがあります。
それは、Dさんの目つきと話し方です。
目つきとは、うーん‥‥何と言ったらいいのでしょう。
若干大げさに言えば、目じりの上がった、
いわゆる険のある、きつい感じの目です。
そして、主訴やこれまでの経緯をお話しされる
その話し方がとても早口で、どちらかというと
こちらの話を「喰い気味」に、
「怒り」の感情に任せてご自分の思いを
捲(まく)し立てるといったふうでした。
こうした傾向は、ともすれば、その人の
パーソナリティー(※personality:個性、性格)
ということで片付けられ、とりわけその人と
初対面の場合には見過ごされがちなものです。
しかし、こうした見過ごされがちな情報の中に、
時として重要な情報が潜んでいたりするのです。
今回のケースがまさにそうでした。
Dさんが、実際には前述のような
パーソナリティーの持ち主ではないことが
後に判明することになります。
とにかく、初診時の面談や問診を通して、
Dさんの目つきやその話し方に、
筆者は多少なりとも違和感を覚えたわけです。
そこで、いま一度問診票に目を通してみると、
● 頭痛になりやすい
● 肩や首の後ろが強く凝っていて痛い
――といった項目にチェックが入っています。
これらは「片頭痛で通院していた」という情報と、
そして、今回の「首が痛い」という主訴と、
それぞれ合致しています。
さらには、
● 寝つきがわるい(自律神経症状)
● ものが見えにくい
● 目が疲れやすい
● 眼の奥が痛い(以上、目の症状)
――といった、東洋医学的にみて
「肝」の機能失調を疑わせる所見が散見されました。
( ⇒ ブログ【肝の生理】参照)
そうなると次は、果たして身体所見がそれを
裏付けているかどうかということになります。
「肝」(の機能失調)の所見が体表のどこかに
みられないか――全身の視診・触診を
もういちど丁寧におこなってみました。
すると、背部のいわゆる「肝」のツボ付近に
明瞭な膨隆(=皮膚面の盛り上がり)と
硬結(=強い凝り)が認められたのです。
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(6)】へつづきます)
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