(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(1)】のつづきです)
理由の三つ目は、
東洋医学は西洋医学よりも微小な変化を問題にする
医学であるということです。
冒頭に「CTやMRIなどの画像診断装置」と書いたように、
現代医学=西洋医学においては、
レントゲンを含むこれら画像検査の結果を踏まえた上で
確定診断(最終診断)がなされます。
つまり、描出された検査画像に
目に見える明らかな病変が見つかれば
その人は「病気」であり、見つからなければ
「異常なし=病気ではない=痛いのは気のせい」
というわけです。
これは、患者さんの体から組織サンプルを採取し、
顕微鏡などで観察する病理検査でも同じこと。
要は、目に見える病変が有るか無いかによって
診断(病気であるか否か)を確定するのが西洋医学です。
これに対し、東洋医学は
目に見える病変に至る前の段階を問題視します。
これがいわゆる
「未病(いまだ病まざる状態)」
というものです。
鍼灸や湯液(漢方薬)などの東洋医術は、
「目に見える明らかな病変」を生じてしまった病体を
旧に復する力には正直、乏しいと言わざるを得ません。
しかしながら、微に入り細を穿(うが)つような、
西洋医学には無い濃(こま)やかな問診・視診・触診
によって「未病」を見つけ出し、
これを治療することにより、
放っておけばやがて大病に至るやもしれぬ病の芽を摘む
ことに長(た)けた医術が東洋医学であると言えます。
東洋医学が「未病を治(ち)す」医学
であると言われるゆえんです。
これまで述べてきたような理由から、
患者さんの訴える痛みの原因がわからない――
医学的に治療のしようが無いということが
しばしば起こるわけです。
いわば、現代医学に掬い取ってもらえずに、
「網の目」をすり抜けてしまう患者さんが
少なからず出てきてしまうのです。
前回のブログに書いた
「現代医学=西洋医学の限界」
とは、まさにこのことを言っています。
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――前置きが長くなってしまいましたが、
今回の症例ブログでは、以上申し上げてきたようなことを
あらためて実感、再認識させられたケースをご紹介します。
それでは、次回より詳しくみていくことにしましょう。
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(3)】へつづきます)
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