「立春」2017 ~陰から陽へのバトンタッチ~
カテゴリー:二十四節気
きょう2月4日から、暦はいよいよ「立春」に入りました。
これまで「陰の気」の支配下にあった自然界は、
この期間に「陰から陽へ」バトンタッチです。
ちなみに、立春の前日の2月3日が「節分」となります。
春夏秋冬それぞれの「季節を分ける」日だから節分です。
したがって節分は、本来は立春の前日だけを言うのではなく、
立夏・立秋・立冬の各前日を指すものなのです。
それがなぜ立春の前日だけ特別扱いされて
豆撒きなどをおこなうようになったのか――。
それは、旧暦の立春はまた、新年の到来をも意味していたからです。
新年を迎える前に、旧年中の災厄や不幸(=鬼)を追い払い、
清新なる気持ちで新春を祝おうとした古人の慣習です。
「陰の気」から「陽の気」の支配下に入る――。
文字どおりこれは180°の大転換です。
冬の間は「早寝・遅起き」が推奨されていたものが、
春になったら、それよりも
すこし遅く寝て、すこし早く起きるようにするとよいとされています。
それはなぜかというと、
人間もまた自然界の一部(天人合一・てんじんごういつ)であるから、
「日の入りとともに寝て、日の出とともに起きる」
のが望ましい――という考え方から来ています。
冬よりも春のほうが当然、日の入りは遅く、日の出は早い。
だから結果的に、冬よりも睡眠時間が短くなり、
日中の活動量・活動時間が増えることになります。
動物が長い冬眠から覚め、植物が芽を出して生長するように、
人間もまた心身ともにのびのびと活動的に過ごす――
春とは、そのような季節なのです。
もしもこの「昇陽の気」に逆らって、
春になっても沈んだ気持ちで非活動的な生活を送っていると、
体内の「陽の気」も沈んだままとなり、
夏になっても陽気が発散されずに冷え症となってしまう――
鍼灸医学の聖典『黄帝内経』はそのように戒めています。(了)
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