「立冬」2017 ~「玄」の季節~
カテゴリー:二十四節気
11月7日は「立冬(りっとう)」です。
これより冬の季節に入るわけです。
漢方医学は「陰陽論(いんようろん)」と
「五行(ごぎょう)学説」という古代中国の
思想体系の影響の下に発展してきました。
その中でもとりわけ漢方医学を特異的に
特徴づけているものが「五行学説」です。
五行学説とはどういうものかを簡単に言うと、
万物を五つの元素に還元して捉え直し、世界
(=人体というミクロから宇宙というマクロまで)は
その相関の中で存在・運行しているとする考え方です。
( ⇒ ブログ【秋冬季の養生法】参照)
「万物を五つの元素に還元する」とは、
たとえば、人体は「肝心脾肺腎」の五蔵によって
構成・支配されていると考えたり、
世界は「青赤黄白黒」の五色で
構成されていると捉えたり、
また、季節を春・夏・長夏(土用)・秋・冬の
五季に分けたりすることを指します。
ちなみに、地球から見た方位・方角(五方)は
東・南・天帝(=北極星)・西・北で、
黄色に輝く、動かざる北極星を宇宙の中心=天帝
と見なし、これを古代中国では皇帝の、
また日本では天皇の象徴としたのです。
有名な高松塚古墳やキトラ古墳の壁画には
四方位に四神(四獣)が描かれていますが、
それらは
「東=青龍=青」「南=朱雀=赤」
「西=白虎=白」「北=玄武=黒」
の四体で、上記の五季・五色に則ったもの。
「玄」は「黒い色」「濃い色」を表す文字で、
玄米とはすなわち「黒い米」という意味です。
( ⇒ ブログ【秋冬季の養生法】参照)
こうした五行説の哲理を人体の生理に
応用したものが漢方医学です。
そして、そこから導き出されるのが
「冬は腎を損ないやすいので、腎の養生する必要がある。
それには黒い色(濃い色)をしたものを口にするとよい。
また、五味(酸苦甘辛鹹)のうち「鹹(かん=塩味)」は
腎を保養するが、摂り過ぎると逆に腎を損なう」
といった、季節に応じた養生術であり、
当ブログでも折々にご紹介しているものです。
こうしたことは飲食に限ったことではなく、
服装などについても言えることです。
俯瞰(ふかん)的に言って、冬の装いには
グレーやブラウン、ブラックなど
ダークカラーのものが多いと思います。
それは、私たちが
「冬には玄の色を纏(まと)うのがよい」
ということを潜在的に知っているから
なのかもしれません。
――信じるか信じないかは、あなた次第です。(了)
(※写真は国営飛鳥歴史公園のHPより転載させていただきました)
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