「春分」2017 ~春は肝を病みやすい~
カテゴリー:二十四節気
3月20日は「春分(の日)」です。
昼夜の長さが同じになり陰陽が逆転し、
これより秋分(の日)までの半年間は、
陽気の支配するシーズンとなります。
陽気が支配するとは、自然界のものすべてが
みな生長し、活動的になることです。
一方で、生長とは「動き」「変化」ということでもあります。
春先に、思いがけぬ予想外のできごとが起こることを、
昔から「春の椿事(ちんじ)」と呼び習わしてきました。
また東洋医学的にも、春は「風(ふう)」の季節とされています。
風邪(ふうじゃ・かぜ)の「風」です。
「風」とは、動き回るもの、変化の象徴です。
吹き荒れる風はまさに、一瞬たりとも
その場に留まっていることがないからです。
また「春一番」に代表されるように、春には強い季節風が吹き、
「三寒四温」と言われるように、天候が目まぐるしく変わる。
春風が植物の種子を運び、気圧の変動は雨を呼びます。
ゆえに、春は生長の季節たりうるのです。
現代にあっても、卒業や入学、人事異動などといった変化は、
春にはつきものです。
そうした変化に対し、こころや自律神経が
ついていけなくなった状態が、いわゆる「五月病」です。
「五月病」は、自分を取り巻く外的環境の急激な変化が
ストレスとなって、自律神経や内分泌(=ホルモン)の
バランスを崩してしまった状態。
漢方では、ストレスの影響を最も強く受けるのが「肝」です。
「陰から陽へ」という外界の変化と、それに伴うストレス――
それらが風邪(ふうじゃ)となって、
肝の気の循(めぐ)りを滞らせてしまうと考えるのです。
だから、五月病の治療には「肝」の機能改善が欠かせません。
(※解剖学的臓器としての肝臓のことではありません)
――以上のようなことから、
「春は肝を病みやすい」
と、東洋医学では考えます。
風邪(ふうじゃ)と肝についての詳しいお話は、
また別の機会に稿を改めたいと思います。(了)
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