ひざ関節痛の話(4) ~アイソメトリック・トレーニング~
カテゴリー:「病気とケガ」の話
(※【ひざ関節痛の話】の最終回です)
では「痛くてスクワットもできない」という人はどうすればよいか?
ウォーキングやスクワットで痛みが出るのは、
これらが膝関節に体重の負荷がかかったり、あるいは
関節の動きを伴った運動(関節運動)であるからです。
関節運動で痛みが出て、そのエクササイズを続行できないに方は、
「アイソメトリック・トレーニング」をおすすめします。
アイソメトリック・トレーニングとは、
日本語で「等尺性収縮運動」と訳されるように、
筋肉の長さが変わらない(=関節運動を伴わない)運動という意味です。
ふつう、肘(ひじ)や膝などの関節を曲げたり伸ばしたりするとき、
その関節を曲げ伸ばしする筋肉が収縮し、文字どおり長さが縮みます。
しかし、関節を曲げたまま、あるいは伸ばしたままの状態で固定し、
関節は動かさずに筋肉だけを収縮させるトレーニング法があります。
これをアイソメトリック・トレーニングといいます。
関節運動を伴わず、体重負荷もかからないこの方法ならば、
痛みを伴わずに、継続して筋肉を鍛えることができます。
それでは、大腿四頭筋のアイソメトリック・トレーニングの
簡単なやり方をご紹介しましょう。
【A.ノーマル・トレーニング】
① 椅子に腰かけて、片脚を床と並行になるように伸ばす。
② その状態で足首を背屈させる(=反らせる)と、
大腿四頭筋をさらに緊張・収縮させることができる。
(※痛かったら、絶対に無理をしないこと!)
③ その状態を5秒間キープしたら脱力。これを5回繰り返す(=1セット)。
これを一日2~3セットおこなう。
【B.レジスタンス・トレーニング(抵抗負荷運動)】
① 椅子に腰かけて、前方に両脚を投げ出すようにして座り、
一方の足首のところにもう片方の足を載せる(=両足をクロスさせる)。
② 下の脚で上の脚を持ち上げるように力を入れる。
(※このとき、必ずしも実際に持ち上げる必要はありません)
③ 上の脚で下の脚を抑えつけるようにしながらおこなうと、
大腿四頭筋をさらに緊張・収縮させることができる。
(※痛かったら、絶対に無理をしないこと!)
④ 5秒間キープしたら脱力。これを5回繰り返す(=1セット)。
これを一日2~3セットおこなう。
これらもまた、ウォーキングやスクワット同様、
痛みを感じない範囲でおこなうことが大事です。
やり方はいたって簡単ですが、効果は大きいトレーニングですので、
無理をせず、地道に毎日続けていくことで、必ず効果は得られます。
このアイソトニック・トレーニングで膝周りの筋力が付いてきたら、
次はスクワットにチャレンジしてみてください。
ウォーキングは、その衝撃に耐えうる筋力をしっかりと培ってから
おこなうべきものであることを、最後にもう一度念を押しておきます。
「ウォーキングは、リハビリの手段ではなく、目標である」
――と申し上げた理由が、これでおわかりいただけたことと思います。(了)
(※画像の出典/ http://tonyobyodm.blog.fc2.com/ )
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