「穀雨」2017 ~人体は自然界の縮図~
カテゴリー:二十四節気
あす4月20日から5月4日までを「穀雨(こくう)」といいます。
5月5日はもう立夏(=夏の始まり)ですから、
春の最後の二十四節気ということになります。
『こよみ便覧』によれば、
「春雨降りて百穀を生化すれば也」
とあります。
春先に蒔(ま)かれた百穀の種が発芽し、
その生長を助ける「恵みの雨」の降る頃――
そういったところでしょうか。
余談ですが、秋に降る長雨のことを「秋霖(しゅうりん)」と呼ぶのに対し、
春の篠突く小糠雨(こぬかあめ)のことを「春霖(しゅんりん)」といいます。
いずれにしましても、春先の「風(ふう)」から
しだいに「暑」「湿」へと移り変わっていく、
その挟間(はざま)の時季ということになります。
こうした自然界の変化と同様の変化が
私たちの体にも起こっていると東洋医学では考えます。
なぜならば、人体は「肺」が「天の気」を体内に摂り入れ、
「脾胃(ひい)」が穀物を通して「地の気」を摂り込みます。
このことから、天地(=陰陽)の調和無くして
自然界が治まらないのと同様に、
天の気(=陽気)・地の気(=陰気)の調和無くして
ヒトの健康もまたあり得ないと考えるからです。
まさに人体は自然界の縮図であり、
好むと好まざるとに関わらず、ヒトの体は自然界を反映し、
自然の恵み無しには生きられない仕組みになっているのです。
それゆえ、日の短くなる秋冬には日中の活動量を減らして
夜の睡眠時間を十分に摂り、日が長くなる春夏にかけては
反対に早起きをして、日中もよく体を動かし汗をかく――
そういった自然の摂理に則ったライフスタイルこそが
気を病まない(=病気にならない)ための秘訣であると
東洋医学はおしえてくれているのです。(了)
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