「清明」2017 ~バランスと調和の東洋医学~
カテゴリー:二十四節気
4月4日~19日は、二十四節気の「清明(せいめい)」です。
例のごとく『こよみ便覧』によれば、
「万物発して清浄明潔なれば、この芽は何の草と知れる也」
とあります。
現代風に言えば、花粉だ、黄砂だ、PM2.5だと、
いろんなものが混じり澱み、緩み、霞んだ春先の空気が
次第に清浄さを取り戻していく頃――
そういったところでしょうか。
また例年、西日本から関東にかけてさくらが開花し、
見ごろを迎える頃でもあります。
【春分2017】や【肝の生理】のブログにも書いていますように、
春は「肝」の季節であり「肝」を病みやすい季節です。
(※肝臓病になりやすいという意味ではありません)
春は万物が生長する季節。
動物も植物も、空気=風も、動き出し、動き回る季節です。
動くものはすべてみな熱を生じます。
熱は、人間のみならず、すべての生き物が
健康に生きていくためのエネルギーそのものです。
だからといって、熱は大きいほどいい、
熱いほどいいというわけではありません。
私たち生き物の体はタンパク質でできていますから、
熱が45℃前後に達するとタンパク変性が起こり、
私たちの体は本来の正常な機能を果たせなくなってしまいます。
「過ぎたるはなお及ばざるが如し」
何ごともバランスや調和が大事ということです。
このバランスや調和を大事にするのが、東洋医学の真骨頂。
かぜを引いて熱が出たときには、
発汗を促して熱を蒸散させる作用のある
葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)を処方したり、
項背部の緊張を解いて毛穴(汗腺)が開くような
はり・きゅう術を施したりします。
さらに言えば、私たちの体にはそもそも
そうしたアンバランスや不調和が生じないようにするための
優れた仕組みがもともと備わっているのです。
その一つが「血液のラジエーター」とも言える
「肝の蔵血作用」というわけです。(了)
(※ →【肝の生理(3)】参照)
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