梅雨と痰湿(4) ~現代医学・栄養学の盲点~
カテゴリー:「気・水・血」の話
(※【梅雨と痰湿】の最終回です)
かように、食べ過ぎ・飲み過ぎはこれすべて痰湿のもと。
夏バテにはビタミンBがいいから豚肉をたくさん食べましょう、とか、
ブドウ糖は「脳の栄養」だから糖質をどんどん摂りなさい、だとか、
日本人はカルシウムが足りていないからもっと乳製品を――
などといったように、
「○○が足りないから、もっと摂れ」
という、安直すぎる考え方に支配されてきたのが
現代栄養学ではないでしょうか。
さらに言えば、
各種栄養素の分解・代謝が苦手な体質の人の存在などお構いなしに、
こうした「もっと摂れ」論がまるで万人にあてはまる真理であるかのように、
しょっちゅうテレビに出てはせっせと喧伝して回っている「名医」たち‥‥。
こうした現代医学・栄養学による「啓蒙」の結果、
はたして現代日本人はどうなったでしょうか。
体中の血管が動脈硬化でボロボロになってしまう病気――
糖尿病とその予備軍と呼ばれる人たちは減少したでしょうか?
脂肪や肉の摂りすぎ(=食の欧米化)が原因と言われている
大腸がんは、近年激増しているのではありませんでしたか?
これらの事実は、テレビの中の「名医」たちの言っていることと
矛盾してはいませんか?
まるで糖分を摂れば頭が良くなるかのように思わせて糖質摂取を促し、
一方では「糖質制限ダイエット」なるものを喧伝して回っている――
こうした「名医」たちの一側面だけを切り取った無責任な言葉に、
私たちは踊らされてはいないでしょうか?
現代人は、この栄養素もこの栄養素も体に必要だからと、
摂取することばかりを実行し、消費することは疎かにして、
とかく食べ過ぎ・運動不足の傾向にあります。
痰湿という概念は「余りもの」であり「病的産物」だと申し上げました。
であるならば、少なくとも「もっと摂れ」的な発想で改善できる
類のものでないことは、おわかりいただけることと思います。
「この時期、体が重だるくてしかたがない」
「自分は痰湿証タイプかもしれない」
と思い当たる人は、ぜひ今日から食べ過ぎ・飲み過ぎに気をつけ、
すこしでも運動量を増やす(=消費する)工夫をしてみてください。
経済も健康も、ともに消費することで循環が好くなるのです。
ウォーキングなどももちろん結構ですが、
はり医・ポン太的には「ラジオ体操」がおススメです◎(^―^)
きっと、あなた自身の体が「変わった」ことを実感できるでしょう。(了)
(※痰湿=水滞についての詳細は → 旧ブログ をご覧ください)
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