梅雨と痰湿(3) ~飲み過ぎ食べ過ぎは痰湿のもと~
カテゴリー:「気・水・血」の話
(※【梅雨と痰湿(2)】のつづきです)
前回のブログで挙げた諸症状の原因は、いずれも
体が「湿」の状態に傾き「痰」が生成されたため
という、東洋医学独特の概念で説明されます。
したがって、雨が多く、湿度の高い日が続く今ごろの時期に、
前述したような症状を悪化させ、体調を崩すことの多い人は、
痰湿証(=体が痰湿状態にある人)であると判断できます。
では、痰湿証の人はこの時期、
どのようなことに注意して過ごせばよいのでしょうか。
それは、ひとことで言えば「湿」および「湿の原因」を遠ざけて、
もうこれ以上「痰」を溜めこまないようにすることです。
では「湿」とはいったい何でしょうか。
それは言うまでもなく水分のこと。
もっと厳密に言えば、
「水と同様の性質を持ついっさいのもの」を指します。
したがって、まずは水分や脂肪分を控えた食事を摂ることが大事です。
言い方を変えれば、要するに「食べ過ぎてはダメ」ということです。
「水分摂取を控えるだけじゃ、だめなの?」
――そのように思われた方もいらっしゃると思います。
前述したように、東洋医学では脂肪も痰湿の一つとみなしますから、
脂肪の摂りすぎは痰湿証を増悪させる原因になります。
それともう一つ、ごはん(=お米)の食べ過ぎもダメ。
「ごはんは脂肪じゃないからいいのでは――?」
と思いたくなりますが、じつはそこが盲点なのです。
ごはんやパン、麺類などのデンプンは糖質と呼ばれますが、
エネルギーとして燃焼・消費されなかった糖は、
肝臓の働きによって中性脂肪となって蓄えられます。
いわば、飢餓状態に陥ったときの「非常用備蓄エネルギー」です。
しかし使われなければ、それは内臓や皮下に蓄積されていき、
いわゆる内臓脂肪、皮下脂肪となって体内に滞留しつづけます。
そればかりか、血中に高濃度の中性脂肪がめぐっていると、
血管の壁に脂汚れ(※プラークといいます)がべっとりと付着し、
動脈硬化という恐ろしい事態を招くことにもつながります。
つまり、ごはんやパン、パスタは脂肪じゃないから大丈夫――
と思っていても、体の中で糖質から脂肪が作られてしまう。
そして、それがうまく代謝されずに体に滞留してしまえば、
それはもはや立派な「痰湿」というわけです。
(※痰湿=水滞についての詳細は → 旧ブログ をご覧ください)
(※【梅雨と痰湿(4)】へつづきます)
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