梅雨と痰湿(1) ~痰湿とは何か?~
カテゴリー:「気・水・血」の話
このところの奈良は毎日じめじめとした鬱陶しいお天気が続いています。
大切にしている本やカメラのレンズにも黴(かび)が生えて困っています。
余談ですが、梅雨は本来「黴の生える雨期」という意味で
「黴雨(ばいう)」と書きました。
「黴」の音読みは、バイ菌の「バイ」です。
多湿な気候は、本やレンズだけでなく、人間の体にも
頭痛や肩こり、関節痛や神経痛、腰痛、月経異常など
さまざまな不快な症状を惹き起こします。
とくに、東洋医学でいう「痰湿証」の人では、
梅雨どきに体調を崩す人が少なくありません。
痰湿(たんしつ)はまた、水滞(すいたい)とも呼ばれます。
「痰」とは、体内に滞留した余剰水分のこと。
気・血・水の3つが滞りなく、体内を
潤滑にめぐっている状態が「健康」である
と、東洋医学では考えます。
このうち、生まれつきの体質あるいは後天的な病などにより、
体内の水分バランスが失われ、
余剰水分(=痰)が体のどこかに偏在している状態
を「痰湿証」「水滞証」などと呼びます。
痰湿証の症状は、その人の体のどこに痰が滞留しているかによります。
痰が頭にあれば頭痛・頭重が、
頸や肩、腰にあれば神経痛や肩こり、腰痛が起こります。
下肢に滞留していれば膝関節痛やむくみとなって出現します。
ほかにもじつにさまざまな症状が惹き起こされるのですが、
その原因は痰湿証という「水捌けのわるい体」にあるわけです。
そのため、じめじめとした気候ではそれにいっそう拍車がかかり、
痰湿証の人は著しく体調を崩すことになります。
(※痰湿=水滞についての詳細は → 旧ブログ をご覧ください)
(※【梅雨と痰湿(2)】へつづきます)
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