虫刺されとマッサージ(2) ~刺されたときのもう一つの対処法~
カテゴリー:セルフケアと養生法
(※【虫刺されとマッサージ(1)】のつづきです)
ここで簡単に「強擦法マッサージ」についてご説明しておきましょう。
前回のブログにも記したとおり、強擦法とは医療マッサージの手技の一つで、
拇指または中指の先端を皮膚に当て、
力を加え輪状にすばやく回しながら、
周囲からしだいに中心部に向かって
渦巻き状に擦り込んでいく方法です。
「病的滲出物を細かく砕き、周囲に散らし、吸収させ、
癒着した組織を剥がし、動きの悪い組織の可動性を良くする。
皮膚瘢痕などの硬化を軟らかくし、可動性を回復させる。また、
炎症による腱と腱鞘の、腱鞘と骨との癒着を剥がすなどの効果がある」
と説明されています。
(※社団法人東洋療法学校協会編「あん摩マッサージ指圧理論」より)
私は、この強擦法マッサージの
「病的滲出物を細かく砕き、周囲に散らし、吸収させ」る作用に着目し、
掻く代わりに強擦法を施すことで、
「掻くと皮膚が赤くただれたような丘疹となり、
やがて痒みをぶり返し、最終的には瘢痕化する」
という悪循環を断ち切れるのではないかと考えたのです。
しかし、前回のブログにも書いたとおり、
強擦法を施すことによって痒みを紛らすことはできますが、
「痒みを抑え込む」と言えるほどの効果は実感できなかったのです。
その点、台座灸が速やかに痒みを取る作用に優れている
ことに疑いを入れる余地はありません。
この、強擦法と台座灸との効果の違いを説明するには、
「熱刺激がタンパク質である蚊の毒を不活性化したのではないか」
という「お灸男子&女子の会」さんの考察が
最も妥当性があると考えるしかないのです。
ところで、
「この考察に間違いないのではないかという手応えというか実感を、
9月8日の『虫刺され後のお灸』検証実験において感じていました」
と、私は前回のブログに書きました。
その訳は、台座灸をすえ終えた直後に強擦法を施したとき、
刺された局所にできた「百円玉大の白い硬結」が拇指の下で
グシャッと潰れるような砕けるような、そんな手応えを感じたからです。
それまで、強擦法のみを施していたときには
全く感じたことの無かった感覚でした。
これこそまさに、
タンパク質である蚊の毒素がお灸の熱によって不活性化した
何よりの証拠なのではないかと感じたのです。
今回、私のおこなった検証実験の結果、
台座灸によって痒みは速やかに抑えられ、その後の強擦法により、
赤い痕や痒みのぶり返しなどのアレルギー反応も抑えられました。
(※【図②】は刺されてからおよそ5時間後のものですが、
この後、時間の経過とともに皮膚の赤みは軽減していき、
翌日の同時刻(=24時間後)には、ほぼ赤みは取れ、
その後、痒みのぶり返しもいっさい起きませんでした)
この検証実験を通して私が感じたことは、
透熱灸(もぐさを直に皮膚の上に置いて燃焼させる方法)を
用いなくとも、簡便な台座灸で著明な効果を上げられること、
また、自分の拇指のみでおこなえる強擦法を併用することで、
虫刺されによる痒みや、痕が残るなどのアレルギー反応に
困っている女性や一般の方々にとって
大きな助けになるのではないかということです。
蚊に刺されにくい人や、刺されてもアレルギー反応の小さい人たちは、
「蚊に刺されたくらいでなにをそんな大げさなことを言っているのか」
と言われるかもしれません。
しかし、私のようにたいへん刺されやすく、
また、アレルギー反応も強い者にとっては、
蚊に刺されることはちょっとした恐怖です。
ましてや、肌に赤い痕が残ってしまうのは具合がわるいと
思っていらっしゃる女性の方も少なくないと思うのです。
そうした方たちにとって「お灸男子&女子の会」さんの報告や
今回の私の実験結果が多少なりとも参考になれば幸いです。(了)
(※図①の出典/http://comedical.blog23.fc2.com/blog-entry-312.html)
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