頸椎ヘルニアになってしまいました(15) ~無免許店と誇大広告~
カテゴリー:「病気とケガ」の話
(※【頸椎ヘルニアになってしまいました(14)】のつづきです)
科学的エビデンスに立脚した医療(EBM)というものを
私たち施術者側がしっかりと肝に銘じて
日々の治療・施術に当たらねばならぬことは言うまでもありませんが、
患者のみなさんにもどうか、これまで申し上げてきたことを
しっかりと認識していただき、病院や治療院を無駄に渡り歩いたり、
延いては病気やけがの治癒をいたずらに遅らせたりするような
時間的・経済的「損失」を被らずにいただきたいと願うものです。
またそれだけでなく、「誤った希望」を持つことは、
それにつけこんだ誇大広告の餌食になりかねません。
一部の「中○気功整体院」といった無免許店舗の
チラシ広告などには、じつにえげつないものがあります。
五十肩、腰痛症、頸椎症にヘルニア、膝関節症はもちろんのこと、
リウマチやぜんそく、膠原病などのアレルギー疾患から
糖尿病や通風などの代謝疾患、はては腎不全や脳卒中まで、
ありとあらゆる病気が「中○気功整体」なるものでたちどころに
治ってしまうかのように「誤解」させるように書いてあるものがある。
これはけっして偏見や差別から言っているのではありません。
私はある中国人施術者から推拿(すいな)という手技療法を学びました。
彼は母国にいたときには中医推拿医師でしたが、
日本で柔道整復師(ほねつぎ)の免許を取得し、
ちゃんと日本の法律に則って治療院経営をしていました。
その彼が、「中○整体の広告には目に余るものがある」
と、常日ごろ洩らしていたのです。
彼は、中国人も日本人も分け隔てなく指導してくれました。
そして、同胞の行いに対しても、けしからぬところはけしからぬと
毅然と指摘するその公平な態度には頭が下がりました。
中国人施術者の中にはそのような人物もいるということを、
ひとこと申し添えておきたいと思います。
万病すべて整体で治ってしまうなら、それこそ医者は要りません。
多少なりとも医学的見識のある人が一読すれば、
それはもう無茶苦茶なことが書いてあるわけですが、
「幸運を呼び込むパワーストーン」的なスピリチュアル広告同様、
これらが取り締まりの対象にはなることはまずありません。
なぜならば、お医者さんなどはこうした一部の整体院の
無法ぶりなどハナから眼中にありませんし、
また、彼ら無資格者には、私たち鍼灸師・マッサージ師のように
免許監督官庁(=厚生労働省)というものが存在しないため、
「やりたい放題」であるというのが現実です。
施術免許を有する私たち有資格者が同じことをすれば、即アウト!
私たちは、具体的な病名を挙げて広告することはおろか、
「鍼灸科」「ほねつぎ科」などというように
「○○科」と書くことすら禁じられているのです。
誇大広告に引っかかるだけならまだいいかもしれません。
長年この仕事に携わってきて、よかれと思って受けた「整体」で
かえって症状を悪化させてしまうケースが後を絶たないことに、
看過できないものをこれまでずっと感じてきました。
(※後日、そうした事例もブログの中でご紹介したいと思います)
患者のみなさんにはどうか、そういった詐欺まがいの
誇大広告の「格好の餌食」になっていただきたくない――
これまでコムズカシイこともあえて滔々と書いてきたのも、
そのような気持ちからであることをご理解いただきたいと思います。
(※【頸椎ヘルニアになってしまいました(16)】へつづきます)
(※旧ブログは → こちらから ご覧いただけます)
**************************************************
奈良の鍼灸マッサージなら、指圧鍼灸マッサージ くるみ治療院
にお越しください。奈良市のしもみかど商店街の中にあります。
〒630-8365
奈良県奈良市下御門町17-1
TEL:0742-93-9600
受付時間:10:30~19:00
定休日:月・木(祝日営業)