ひざ関節痛の話(2) ~ウォーキングの前に筋トレを!~
カテゴリー:「病気とケガ」の話
(※【ひざ関節痛の話(1)】のつづきです)
膝関節痛治療・リハビリの大原則は、
① 痛いときは無理して動かさぬこと!(急性炎症時は何よりも安静第一)
② ウォーキングよりも太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるほうが先!
――であると、前回のブログに書きました。
どういうことか、お話ししましょう。
まず、結論から言うと、
ウォーキングは膝関節痛のリハビリ「手段」ではなく、
リハビリ「目標」である――ということ。
少なくとも、私はそのように考えます。
そもそも、なぜ膝が痛いのか、考えてみてください。
「膝の軟骨がすり減って、関節の隙間が狭くなっています。
それで、骨どうしが直接ぶつかるために痛みが出るんですよ」
――整形外科の先生から、そんな説明を受けませんでしたか。
膝にかかる負荷は、通常の歩行時で体重の約2~3倍、
早歩きでのウォーキングや上り階段では約3~4倍、
ジョギングや下り階段では約4~5倍、
ランニングでは約5~6倍とも言われています。
変形性膝関節症では、階段を上がるときよりも、
下りるときのほうが痛みが強いというのがこれで
うなずけるのと同時に、ウォーキングがいかに膝関節に
負担をかける行為であるかがおわかりになると思います。
階段を下りるときに膝の痛い人が、ウォーキングは一所懸命やる
――矛盾していると思いませんか。
痛いときにウォーキングしても、いいことなんか一つもありません。
では、どうすればいいのか。
大事なのは順番です。
痛いときに、一足飛びにウォーキングするのではなく、
その前にまず「大腿四頭筋」を鍛えることが先決です。
なぜならば、大腿四頭筋は膝関節の前面と側面を
被うように付着しており、これを鍛えることで、
膝をガッチリと補強する、いわば「鎧(よろい)効果」が得られるから。
例えるなら、家の外壁を耐震補強するようなものです。
「なんだあ、ウォーキングしなくていいのかと思ったら、
やっぱり筋トレとかしなくちゃならないのかあ‥‥」
――と、ここまで読んで、そう思ったあなた!
そもそも、どうして膝の軟骨がすり減ってしまったのかを
よぉ~く考えてみてくださいね。
閉経後の女性に変形性膝関節症が好発する理由として、
女性ホルモンの減少が大きな原因であると言われていますが、
それならば、もともと女性ホルモンの少ない男性のほうが
女性に比べてはるかに多く発症するはずです。
しかし、現実にはそうなっていません。
これをどう考えたらよいのでしょうか。
それは、もともと男性に比べて筋力が弱く体重も軽い女性は、
男性よりも骨が細く、したがって関節面も狭く、軟骨も弱い
という 生理的特徴があります。
そこへもってきて、
「閉経+加齢によるさらなる筋力の低下と体重の増加」
によって、膝関節面の負荷は著しく増大します。
これこそが、中高年女性に膝関節痛が多い本当の理由です。
(※画像は「RICHBONE」さんのHPより引用させていただきました)
(※【ひざ関節痛の話(3)】へつづきます)
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