EBM(=Evidence-based medicine)とは、医師らの経験や主観だけでなく、科学的根拠のあるデータに基づいた医療を提供しよう、という取り組みのこと。患者は、医師や医療従事者から「EBMに基づいた説明」を受けること(インフォームドコンセント)が重要であるとされています。
たとえば、慢性的な肩こりや腰痛などに対し、マッサージ・指圧療法と鍼灸治療、あるいは3D刺激療法を併用していくことにより、それぞれの単独療法よりもより短期間で愁訴を改善し、より長期間効果が持続することを目指しています。
東洋医学では、患者さんご自身の自覚症状や生活習慣がきわめて重要かつ不可欠な情報となります。症状として現れている局所のみに目を向けるのではなく、その症状がどうして起こってきたのか、症状が出ている背景には何があるのか等、生活習慣や体質などから東洋医学的に原因を探り(=「証」の決定)、治療方針を組み立てていきます。当院では、初診時の問診をとても大切に考えています。
慢性的な愁訴の多くが、体質に加えて日頃の生活習慣や癖が長く続くことで起こってきます。「慢性的なものだから…」とあきらめずに、普段の生活の中で意識的に改善を図っていくことが、症状を悪化させない、繰り返さないことにつながっていくのです。
病や症状というものは人それぞれです。はりきゅう・指圧・マッサージに加え、漢方薬を併用したほうが望ましいと思われる患者様に対しては、漢方コーディネーターの資格を持つ専門スタッフが、東洋医学的「証」に基づいた適切な漢方薬療法をご提案させていただきます。精神的ストレスなども含め、さまざまな症状やご病気でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
●「深層穴(インナー・ポイント)マッサージ」とは……
体を構成している筋肉(骨格筋)は、体の表層から深部まで、じつは何層にも重なって私たちの骨格を支え、関節を動かしています。そして、深部にある筋肉ほど姿勢を維持するために休みなく働くため、つねに緊張を強いられている状態にあります。すこしばかりの運動やストレッチをしたくらいでは容易に改善しない慢性的な凝りの多くは、じつはこの「深層筋の凝り」が原因なのです。この深層筋の凝りに対して、体の表層にある筋肉ばかりをいくら押したり揉んだりしてみたところで、生活習慣からくる慢性的な凝りは治るものではありません。
また、東洋医学では、体には「経絡」と呼ばれる気血のルートがめぐっていると考えます。経絡は、体表だけでなく体の奥深くをも走行し、五臓六腑と連絡しているのです。私たちがツボと呼んでいる「経穴」とは、この経絡上に現れる反応点であり、治療点のことをいいます。したがって、当然のことながら、体の深部にも経穴が存在することになります。しかし、私たちが目にする、いわゆる経穴図や解説書等では、すべての経穴=ツボは体表面に存在することになっており、実際そのようにしか描かれていません。これでは、いくら経穴図上の点を押したり揉んだりしてみたところで、体の深部にあるツボに作用するはずもありません。体の内部にもツボはある!――言われてみれば、じつに当たり前のことですが、臨床上こうした問題点が指摘されたことは、これまで全くといってよいほどありませんでした。
「深層穴(インナー・ポイント)マッサージ」は、日本の伝統的手技療法である指圧と、中国伝統医術である推拿(すいな)を応用した当院独自の手技療法で、深部にあるツボを刺激して深層筋を揉みほぐすことにより、慢性化した肩こりや腰痛を効果的に改善していきます。マッサージ・指圧コースはもちろんのこと、はりきゅうコースや3D刺激療法と併用することにより、それぞれの単独療法よりも優れた施術効果・リラクゼーション効果が期待できます。他院での施術にご満足されなかった方も、その違いをぜひお感じになってください。