(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(7)】のつづきです)
初診に引き続き「肝」の失調を
回復するための処置に加え、
Dさんのもともとの体質である
水滞を改善する処置の一環として、
腹部の要穴(=重要なツボ)へ
「しお灸」を施しました。
また、この日の施術では、
Dさんの抱いている「怒り=ストレス」を
一切合切吐き出していただくべく、
ひたすら「聞き役」に徹しました。
その甲斐あって、Dさんが何に対して
怒っているのかということだけでなく、
いまDさんが抱えている悩みごとや
不満といったものが次第に
明らかになってきたのです。
(※詳細については記しません)
そして、最後に首のストレッチングを指導し、
第2診を終えました。
● 第3診(6月下旬)
「きょうは(受療中の)リラックスを
心がけて来ました」とDさん。
しかし、件(くだん)の前主治医への不信感、
その言動に対する憤りの炎は、
いっこうに鎮火する気配を見せません。
Dさんは医療関連資格をお持ちの方でしたので、
漢方の考え方もご理解いただけると判断し、
術後カウンセリングにおいて
「(怒りを中心とした)ストレスによる肝の失調」
という筆者の見立てと、それに対する治療を
おこなったことをあらためてお話ししました。
筆者の説明を聞いて得心されたようでしたが、
首の強い痛みを惹き起こしている原因が
ご自身の怒りの情動にあることを悟られ、
「私、やっぱり怒っているんでしょうか?」
と、すこし寂しそうにおっしゃいました。
ちなみに、これは筆者の考えですが、
「リラックスを心がける」
という言葉は、換言すれば
「リラックスしなければいけない」
と考えることにほかなりません。
Dさんはとても几帳面な方であるがゆえに、
リラックスということに対してさえも
「○○しなければならない」というように
義務的に考えてしまう傾向があります。
こうした「must 思考」の人は、
概して自分でも知らず知らずストレスを
溜め込んでしまっていることが多いもの。
こうした人は、漢方医学的に「肝」の失調を
招きやすいということができます。
(※【原因不明の頸部痛が東洋医学的アプローチで改善した症例(9)】へつづきます)
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